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自転車事故・盗難など
自転車のリスクについて

自転車事故の過失割合

自転車に乗る上で覚えておかなければならないのは、自転車は軽車両であり、道路交通法にのっとって走行しなければならないということです。
2015年6月に道路交通法が改正されて以来、自転車が道路交通法を違反することへの罰則が厳しくなり、事故を起こした際に道路交通法を違反していた/していなかったにより、実際の罰則や、事故の過失割合も変わってきます。
過失割合とは、交通事故の結果について当事者各自が負担する責任の割合のことです。自分の過失割合の分は、請求できる損害賠償金額から減らされてしまうので、事故での賠償金額にも大きくかかわります。
もちろん、自分の過失が大半であれば、賠償をしなければなりません。
ここでは、自転車で事故を起こした場合の過失割合を、さまざまなケースを例にとって見ていきましょう。

自転車と自動車の事故の場合の過失割合

事故の過失割合は、「立場の弱いものを保護する」という観点から見るのが基本です。
つまり、まったく同じ動きをしていても、自転車と自動車なら、自動車の過失がより大きく、歩行者と自転車なら、自転車の過失がより大きくなるということです。自動車同士だと、どちらかが完全に静止していない限り、過失割合が0%:100%ということは基本ないのですが、自転車と自動車の場合は、例えば自動車が後ろから自転車に追突したようなケースでは自動車の過失割合が100%になることもあるのです。
また、過失割合には、基本の過失割合と、修正要素があります。
例えば、自転車の場合は高齢者や子供が運転することもあるので、こういったケースの場合は、より自動車側に大きな過失割合が課されるように修正されることがあります。
自動車との事故の場合は、過失割合は自動車がより多く負うことがわかりましたが、これは見方を変えれば、事故を起こした場合、自転車側が負う損害が非常に大きいということを示しています。
つまり、自動車と事故を起こした場合、自動車に跳ね飛ばされたり、轢かれたり、巻き込まれて引きずられたりと、死亡や重症につながるケースが非常に多いということです。
また、たとえ事故の過失割合が100%自動車側にあったとしても、その自動車の運転手が十分な保険に入っておらず、自分の方が大ケガを負ったり、大きな障害が残ってしまった場合などは、困った事態に陥ってしまいます。
こうしたときにも自転車保険に入っていれば、補償の一部をまかなうことができます。

自転車とバイク(原付含む)の
事故の過失割合

自転車とバイク(原付含む)の事故の場合も、過失割合の考え方は自動車との過失割合の考え方とほぼ同じです。同じ2輪であっても、バイク(原付含む)の方が重量も重く、相手へ与えるダメージも大きいからです。とはいえ、信号無視をしていたり、逆行していたりと法律を守っていない場合は、修正要素として、自転車側の過失割合を上げる場合も考えられます。例えば、自転車側の過失割合が加算/減算される要素としては、以下のようなものがあります。

加算

  • ・高速度で進入(+5%)
  • ・夜間(+5%)
  • ・右側通行なのに左方進入(+5%)
  • ・著しい過失(+10%)
  • ・重過失(+15%)

減算

  • ・児童、老人など(-5%)
  • ・自転車横断帯や横断歩道を走行(-10%)
  • ・減速せず(-5%)
  • ・自転車の明らかな先入(-10%)
  • ・バイクの時速15㎞以上の速度違反
    (-10%)
  • ・バイクの時速30㎞以上の速度違反
    (-20%)
  • ・自動車の著しい過失(-10%)
  • ・自動車の重過失(-20%)

自転車側への過失割合の加算要素を見てみると、「右側通行なのに左方進入」などは、無茶な自転車の乗り方をする人は要注意ですね。

自転車同士の事故の過失割合

出会い頭の自転車同士の事故の場合の過失割合は、基本的には5:5となります。しかしこれは、お互いが道路交通法を遵守していた時に限ります。
例えば、自転車は軽車両、車と同じですから、左側を走るのが原則ですが、さほど大きくない道などでは、けっこう無視して、好きなところを走っていることが多いように思います。交差点では、一時停止をしていることなどあまり見かけませんし、優先道路がどちらかなどと識別して走行している人などは皆無に近いのではないでしょうか。また、夜間の無灯火走行も日常的に見られます。
自転車同士の事故の過失割合を決める際には、こうした交通ルールの遵守の有無が、すべて過失割合の加算要素として確認されます。
また、同じ動きをしていても、相手側が子供であったり、高齢者であったりする場合は、その分、自分側に過失割合が加算されます。
自転車同士の事故でも、死亡や重篤な状態に陥るケースは少なくありません。事故があった場合は、自転車同士であっても、必ず警察へ届けるようにしましょう。

自転車と歩行者の事故の過失割合

自転車と歩行者の事故の場合の過失割合は、自動車の場合と同じ考えをあてはめて、弱い立場の歩行者が保護され自転車側の過失割合が高くなる傾向にあります。
また、2015年の道路交通法改正もあって、自転車の過失はより重く捉えられる傾向にあるのです。
例えば、自転車は基本、車道を走行するものと定められていますが、ある一定の条件、例えば、

  • ・「自転車通行可」の道路標識または「普通自転車通行指定部分」の道路標示がある歩道を通るとき
  • ・運転者が13歳未満もしくは70歳以上、または身体に障害を負っている場合
  • ・安全のためやむを得ない場合

いずれかの条件を満たしたとき、歩道を走行することができますが、あくまでも歩道は歩行者が優先される道です。それゆえ、「歩道の上で自転車と歩行者が事故を起こした場合は、原則、自転車にその責任がある」とされています。
また、自転車を運転しているのが子供や高齢者であっても、過失の減算がされないのが原則というから、かなりシビアに見なければなりません。

日ごろから交通ルールを知り、守ること。
また、自転車保険に加入して
備えておきましょう。

2022年6月承認 A22-100837